あなたと私と嘘と愛
母は昔からよく私にこういうものをくれる。
仕事で貰ったものがほとんどだと思うが、今までくれたものは主に美容関係のものが多いように思う。
「あなたもこれぐらいの身だしなみはしなきゃダメよ」
それが母の口癖だ。
「お肌の老化は18才から始まってるのよ。若いからって過信しないの。今ちゃんと手入れしておかないとあなたが年取った時に他の人との差が出るんだから」
美容には人一倍時間とお金をかけてるからこその彼女の熱弁はうっとおしい。
嫌と言うほど聞いた為、むしろ反発して基礎のお手入れはしてるものの、普段あまり化粧はしたいと思えなかった。
確かに綺麗になりたいという願望は私にもある。
だけど彼女のようにはなりたくないと…
今まではそうだった。
だが今回はそんな母のお節介に少しのってみようと思えた。
多少なりとも助かったと思える自分の変化にも驚きだ。
それも淡い恋心のおかげだろうか?
そんな遠回しな気遣いはいらないよと思う反面、綺麗に着飾った自分が新鮮で見るのが楽しかった。