あなたと私と嘘と愛
その日から坂井さんとの関係は順調に進んだ。
まだ友達としてだけど、この関係が恋人に発展するのはきっと遠くないと思う。
あれから3、4回はデートした。
その度に彼は優しく、気はきくしそしてマメに連絡もくれる。
欲しい時に決まって連絡をくれ、本当にドラマから出てきたような理想な人だった。
もしかしたら次会う時に何か進展があったりして?
ただ1つ、母のファンということを除けば全てにおいてパーフェクトの人だった。
坂井さんとのメールを終えた私はうふふ…と顔がにやけてソファーに寝転がる。
(次に会った時はキスぐらいするんだろうか?)
そんな淡い恋心を抱きながらにまにましていると、リビングの扉が開いて優斗の声がした。
「ずいぶんご機嫌だね。例の彼と上手くいってるの?」
さりげない登場だった。
ハッとし慌てて起き上がると、両手に大きな発泡スチロールを抱えた彼が意味深な顔でこっちを見てる。
「な、なんですか?」
「君、分かりやすいよね。オーラがピンクピンクしてるよ」
「…は?なんですかそれ?あなたオーラが見えるの?」
「見えるわけないでしょ。ただのものの例えだよ」