あなたと私と嘘と愛

確か前も同じようなことを聞いた気がする。
でも聞いてしまった。
だって普通寂しいでしょ。
私だったら耐えられない。
それにまだ新婚だし、今が一番一緒にいたい時期なんじゃないの?


「いくら物分かりがいいとしても、不自然すぎません?」


本当に2人は夫婦なの?と疑問の目を向けたくなる。


(私間違ったこと言ってないよね?)

だけど優斗は顔色を変えることなく毅然として立ち上がり、突然冷蔵庫からビールを取り出した。


「君も飲む?」

「え、…わぁ」


戸惑っているうちにポイっと軽く投げられた。
だから慌ててそれを手の平で受け取ったのだけど、危うく落としそうだった。


「ちょっと…」


炭酸なんだからもっと優しく扱って欲しい。
そして話をはぐらかされた感満載だ。そんな態度にまたしてもしかめっ面が顔を出す。


「浮気されても知らないですよ」


だからポツリと言ってやった。
嫌味も込めての口ぶりはきっと優斗にも伝わってるはず。


「何?心配してくれるの?」

「心配というより疑問の方が大きいです。何かあっさりしすぎてるなって」


もしかして偽装結婚ってやつ?
本当は好き同士じゃないとか。
何だかの理由があり、2人はお互いの利益の為に結婚したりとか。

< 82 / 471 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop