あなたと私と嘘と愛

「絶対何か裏があるでしょ」


いろんな推理が頭の中でうごめく中、優斗が初めてカニを食べる手を止め呆れた顔つきになる。


「すごい妄想だね。ちょっとドラマの見すぎじゃない?」

予想範囲内の言葉が返ってきた。
確かに考えすぎじゃないかと言われればそうかもしれないが、私の疑問は深まったまま。


「だって全然夫婦らしくないんだもん」

「それは夫婦でも色んなかたちがあるからね。うちらの場合は自由に自分らしくいられるのがモットーだから」

「……それ、母の受け売りですか?」

「いや、俺も悠里さんと同じ人種ってこと」

「似た者同士だと言いたいんですか?」


だとしても上手く出来すぎている。
しっかり言いくるめられてる感がある。
だから尚更眉間に皺が…


「ぶっちゃけ聞いていいですか?母との結婚であなたのメリットは何?やっぱり財産目当て?」


じろりと見つめて反応を待つ。
かなり失礼な言い方だと思うけど娘の私には問う権利はある。
この際とことん聞いてやれ。


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