あなたと私と嘘と愛
「なんかせわしないね」
「は?」
「そんなに連絡取り合うことってあるわけ?俺から言わせたらちょっと異常」
さすがに携帯をカタッと置いた。
優斗の言葉に過剰反応する。
異常ってなに?
「食事中ぐらい携帯はやめたら?」
「え…」
「マナー違反でしょ。いくら恋人からの連絡が嬉しくてもオンとオフは分けた方がいい。それともすぐに返信しないとこじれるような関係なの?女子高生じゃあるまいし」
「な、そこまで…」
「俺に言われたくない?でも本当のことだよ。それに食事だと分かっていてそんなひっきりなしに連絡してくる彼も悪い」
優斗は真剣な顔付きで私を見る。
とても冷ややかな顔だった。さっきの砕けた姿が幻だったんじゃないかと思うほど。
そんな彼を見て初めは驚いたが、再び苛立った感情も沸き上がる。
「ちょ、酷くないですかそれ。確かに食事中のマナーは悪かったかもしれない。謝ります。でも彼のことは悪く言ってほしくない。言われる筋合いはないと思います」
だって腹がたった。
そもそも非常識な結婚をした人にそんなことを言われたくない。
説教なんてもってのほか。