あなたと私と嘘と愛

「…それって毎日?」

「ほぼね」


私は真由と話ながらカチカチと返信の文面を作る。
一度LINEが始まるとひっきりなしに彼から入ってくるからそれを返すのがやっと。

だから気付かなかった。
真由が一瞬黙りこみ、そんな私を少し浮かない顔して見つめていたことを。


「それは…けっこうハードだね。坂井さんって思ったよりマメなんだ」

「そうみたい。自分でも寂しがりやなとこがあるって言ってたよ」


私より7つも上なのにそんな一面があるなんて意外だよ。
でも可愛いと思ってしまった。
そのギャップがまたいいんだと…


「でもなんか大変そう…」

「え?」

「亜香里疲れない?」


デジャブだろうか?
つい最近言われた言葉を思いだし、視線だけを真由に向ける。


「それこの前優斗にも言われたけど」

「…そうなんだ…」

「別に疲れないよ?ちょっと大変な時もあるけど」


真由もけっこうさっぱりした性格だからマメすぎる男は苦手だって言ってたっけ?
だから少し抵抗があるのかも。

でも私は大丈夫。
こんなやり取りが楽しくてしかたない。


< 91 / 471 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop