あなたと私と嘘と愛
「じゃあまたね~」と笑顔を交わす。
その後真由と別れ駅までの道を歩く。
真由の家から自宅までの道のりは電車一駅で行ける距離。
その間も私は坂井さんとのLINEのやり取りをカチカチとする。
(途中仕事は大丈夫なの?)
と思いつつ、向こうから入ってくるため返さないわけにもいかない。
そして帰宅中私も暇なので気が紛れるし、その時間がなくなるからちょうどいいとしか思っていなかった。
地元の駅に着き、改札を出て歩きだす。
そこでようやく彼とのLINEが終わり、前を向く。
ふと思う。
あれからけっこうな時間が過ぎている。
確かに日に日に坂井さんとのやり取りは頻繁になっていて、1日の大半は携帯画面とご対面してる状態じゃないだろうか?
もちろん学校に行ってる時とバイトしてる時は別として…
基本私が帰る頃にジャストなタイミングで連絡があり、それが凄いと思うが向こうも私の暇な時間を見計らってのことかもしれない。
(そう言えば明後日のデートは何時に待ち合わせだっけ?)
実はさっき2人で会う約束をした。
だけど肝心な時間を忘れてしまった。
(さっきのやり取りをもう一度見直さなきゃ…)
再び鞄の中に手を入れ携帯を取り出そうとした時だった。「危ない!」と突然背後から叫ぶ声が聞こえ、強い衝撃を受けた。