あなたと私と嘘と愛

急に視界がぐらついた。
左手が強い力で引っ張られる。
あっと思った時、私の体は勢いよく後ろへ戻されて、「きゃっ…」と驚いた。

慌てて顔を上げた瞬間目の前の信号が赤になっている。
そして勢いよく車が走り出していた。

危なかった…
あと少し遅れていたら私は確実に車に跳ねられてかもしれない。
そう分かった途端サーと血の気が引いた。
そして直後「危ないだろうっ」と苛立った声が向けられる。


「死ぬ気かよ…」

「…えっ……」


私の腕を掴み、目の前に立っていたのは優斗だった。
彼はいつになく怖い顔をし、私をじっと見下ろしていて、そんな姿を見た私は驚きのあまり目を大きく見開いた。


「…なんで……」

「君、危なすぎ」


ぐっと腕に力がこもり、腕が痛い。


「赤信号で真っ直ぐ突っ込むとか正気かよ…」


その声は背筋が凍るほど冷ややかだ。
そして苛立ってるのが分かる。

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