LiLy Secret໒꒱· ゚
華蓮 と 花
“ ほわほわしてて、背が高くて、賢い人、それが私の好きな人 ”







「如月ちゃんだーいすきっ!!」


いつもみたいに下駄箱で愛しい背中を見つけてすぐに抱きつく。



「おーさーかっ。朝からやめなよね。如月ちゃん困ってるって」



一緒に登校してる杏ちゃんに引き剥がされる。


「如月ちゃん好きなんだもん。愛をたくさん伝える派なの!」


そんなことを大声で言っている私をみても如月 華蓮 (きさらぎ かれん)はただ微笑んでいるだけだ。



私の好きな人、如月ちゃんはバスケ部部長でいつもほわほわ。見てるだけで癒される。




ぼけーっと私が如月ちゃんの可愛さに見とれていると、三つ編みの大人しそうな子が顔を真っ赤にして如月ちゃんに話しかけた。





「先輩っ...//// お、おはようございます...」



三つ編みちゃんの後にいた友達がガッツポーズをしている。



如月ちゃんは、ほわっと笑って



「おはよう。」




と挨拶を返した。



如月ちゃんってコアなファン多いんだよね。真理花とはまた違う感じの。




三つ編みちゃんは真っ赤な顔をさらに赤くして



「ありがとうございますっ!!」




と挨拶をしただけの如月ちゃんにお礼をして去っていった。



如月ちゃんが人気者なのは素直に嬉しい。


好きな人の魅力を他にも分かってくれる人がいるのは幸せだ。



そんなことを考えている間に教室に着いてしまった。


ああー、、お別れ。


残念ながら如月ちゃんと私はクラスが違う。


だから一日に校内で会話をするのは一回あればいい方なのだ。



どうしても会いたかったらクラスまで会いに行けばいいだけだけど。




如月ちゃんが



「じゃあ、またね。」




と手を振る。


(好きー。)


と思いながら私も手を振り返す。


私って気持ち悪い。







(如月ちゃん如月ちゃん如月ちゃん如月ちゃん如月ちゃん如月ちゃん)



お昼休みになってもずーっと如月ちゃんのことを考える。



「長佳!! 如月ちゃん呼んでるよ」



やったあ!!


私はものすごくニコニコしながら、如月ちゃんの元へ駆け寄った。





「なーに? どうしたの?」



「....お昼食べた?」


如月ちゃんはボソッと言った。




「食べてない!一緒に食べよ!」



もちろん即答。


如月ちゃんはホッとしたように



「部室で食べよう。」




っていつものほわっと笑顔で言ってくれた。





バスケ部の部室に行くと誰も居なかった。


(よしっ、如月ちゃんと二人きり♡)



「如月ちゃ...........」



話しかけようと如月ちゃんの方を振り返ようとする前に


如月ちゃんの長い腕が後からまわってきて、ギューッてすごい力で抱きしめられた。



「.....二人の時は華蓮でしょ?」



耳元で優しい声が囁く。


「......っ///」




今にも心臓の音が如月ちゃんに聞こえそうだ。




「.....忘れたの?」




また耳元がとろけそうになる。




「い、いきなり変えるの...は...んっ/// 難し....ひゃっ///」




如月ちゃんは後ろから制服に手を入れて、私の弱いところを触り始めた。




(好き...好き...好き...)




それしか考えられない。




如月ちゃんは椅子に座って、私を膝に座らせ触り続けた。



「はぁ....んぁ/// ん....っ///」




クルンッ



如月ちゃんと見つめ合う形になる。



「.....嫉妬しなかったよね.....」





如月ちゃんが恥ずかしそうに言う。


「ふぇ?」



突然のことで変な声がでちゃった。



「.....だから...朝。 挨拶された時.....嬉しそうだった。」



なるほど。




「だって自分の彼女の魅力が他の人にも伝わってたら嬉しいもん。」




本当にそう思ってる。


それに、嫉妬とか暗い気持ちを如月ちゃんにぶつけたくない。




「......ふーん。」




不満そうな如月ちゃん。



ぐいっと手を引かれてまたすごい力で抱きしめられる。




「力....つよ...くるしっ」


ギューってされるのは大好きだけど、今日は苦しい。




如月ちゃんは私の胸に顔をうずめたままで言った。




「もっともっとわがまま言っていい....。嫌いになんて今さらなれない....五年も付き合ってて花のこと一度だって嫌だって思ったことないから、大丈夫だよ。」





.....なんで? どうして?



「な、なんで? 何も言ってない.....。なのにどうして.....」




やばい、泣きそう。



でも我慢。泣くところ見られたくない。



「分かるよ...大好きな人のことだから」



大好きだなあ。



「私も....好き!大好き!でも...本当の気持ち言えるほど、私強くない。」







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