初恋の君に真紅の薔薇の花束を・・・
再びアントニウスの顔を見るために部屋を訪れようとしたマリー・ルイーズは、使用人達が全員廊下に並んで控えている姿に、慌ててアントニウスの部屋の扉を開けた。
マリー・ルイーズが目にしたものは、なかば強引にアレクサンドラをベッドの上にねじ伏せ、追いかぶさる様に口づけするアントニウスの姿だった。
「アントニウス!」
驚きも明らかなマリー・ルイーズの声に、アントニウスはギョッとしてアレクサンドラを自由にした。
「アントニウス、何をしているのです」
足早にベッドサイドに走り寄ったマリー・ルイーズは、茫然としているアレクサンドラを抱き寄せた。
「母上・・・・・・」
アントニウスは困ったような表情を浮かべて言葉を飲み込んだ。
「アレクサンドラさん、どうかお部屋に戻っていらして」
アレクサンドラはマリー・ルイーズの指示に従い、自分の部屋へと戻った。
「アントニウス、いったい何を・・・・・・」
既に、アーチボルト伯爵が公爵に叙爵されることを知っているマリー・ルイーズは、目覚めたばかりのアントニウスとアレクサンドラが二人だけで部屋に居たことに動揺していた。
「母上、人払いをしたのは私です。アレクサンドラと二人だけになりたかったのです」
アントニウスの言葉に、マリー・ルイーズは窓辺に歩み寄りカーテンを少し開けた。
「アーチボルト伯爵が公爵に叙爵されます。もう間もなく、アレクサンドラさんは伯爵令嬢などと言う軽い立場ではなく、エイゼンシュタインの公爵令嬢になるのです」
マリー・ルイーズの言葉にアントニウスは言葉を飲み込んだ。
「今後、このような事は許しません。次に、このような事が起ったら、アレクサンドラさんには直ちにエイゼンシュタインに帰っていただきます。良いですね」
マリー・ルイーズは釘をさすように言うと、まっすぐにアントニウスの事を見つめた。
「母上、軽率な行動でした。二度と、このような事は致しません」
アントニウスの言葉にマリー・ルイーズは頷くと、『少しお休みなさい、すぐに片づけさせます』とだけ言い残して部屋から出ていった。
入れ替わりに入ってきたミケーレは、メイドたちに片づけを指示すると、アントニウスの背中のクッションを動かし、アントニウスが横になれるようにした。
それから、アントニウスが目覚めぬ間に起ったことを色々と話して聞かせた。
☆☆☆
マリー・ルイーズが目にしたものは、なかば強引にアレクサンドラをベッドの上にねじ伏せ、追いかぶさる様に口づけするアントニウスの姿だった。
「アントニウス!」
驚きも明らかなマリー・ルイーズの声に、アントニウスはギョッとしてアレクサンドラを自由にした。
「アントニウス、何をしているのです」
足早にベッドサイドに走り寄ったマリー・ルイーズは、茫然としているアレクサンドラを抱き寄せた。
「母上・・・・・・」
アントニウスは困ったような表情を浮かべて言葉を飲み込んだ。
「アレクサンドラさん、どうかお部屋に戻っていらして」
アレクサンドラはマリー・ルイーズの指示に従い、自分の部屋へと戻った。
「アントニウス、いったい何を・・・・・・」
既に、アーチボルト伯爵が公爵に叙爵されることを知っているマリー・ルイーズは、目覚めたばかりのアントニウスとアレクサンドラが二人だけで部屋に居たことに動揺していた。
「母上、人払いをしたのは私です。アレクサンドラと二人だけになりたかったのです」
アントニウスの言葉に、マリー・ルイーズは窓辺に歩み寄りカーテンを少し開けた。
「アーチボルト伯爵が公爵に叙爵されます。もう間もなく、アレクサンドラさんは伯爵令嬢などと言う軽い立場ではなく、エイゼンシュタインの公爵令嬢になるのです」
マリー・ルイーズの言葉にアントニウスは言葉を飲み込んだ。
「今後、このような事は許しません。次に、このような事が起ったら、アレクサンドラさんには直ちにエイゼンシュタインに帰っていただきます。良いですね」
マリー・ルイーズは釘をさすように言うと、まっすぐにアントニウスの事を見つめた。
「母上、軽率な行動でした。二度と、このような事は致しません」
アントニウスの言葉にマリー・ルイーズは頷くと、『少しお休みなさい、すぐに片づけさせます』とだけ言い残して部屋から出ていった。
入れ替わりに入ってきたミケーレは、メイドたちに片づけを指示すると、アントニウスの背中のクッションを動かし、アントニウスが横になれるようにした。
それから、アントニウスが目覚めぬ間に起ったことを色々と話して聞かせた。
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