初恋の君に真紅の薔薇の花束を・・・
ルドルフが公爵位を叙爵される日は、雲一つない晴れ晴れとした日だった。
王宮から差し向けられた馬車に乗り屋敷を後にしたルドルフを追うように、正装に身を包んだアリシアとアレクサンドラも馬車に乗り込んだ。本来、王宮で行儀見習い中のはずのジャスティーヌには早い時間に別途王家から迎えが送られたので、ジャスティーヌは一足早く王宮に向かっていたので、式典に合わせて王宮に赴くのはルドルフ、アシリア、アレクサンドラの三人だけだった。
王宮に着くと、ルドルフを乗せた馬車もアリシアとアレクサンドラを乗せた馬車も王族専用の車付けへと案内された。そして、ルドルフを先頭に、三人はリカルド三世の待つ謁見の間へと向かった。
謁見の間では、既に王太子妃と呼ぶにふさわしい支度を整えたジャスティーヌと正装に身を包んだロベルトが三人を迎えてくれた。
本来、公爵は複数いる王子の一人が臣下に下るときに叙爵される地位であり、臣下が叙爵される爵位は侯爵が限界である。そのため社交界でも『公爵』ではなく『侯爵』の聞き間違いではとずいぶん噂されていたようだったが、ルドルフを始めとする肝心のアーチボルト伯爵家の誰も社交界に姿を現さないので、噂の真相は闇に包まれたまま叙爵式の日を迎えた。
謁見の間には、日頃は姿を現さないホーエンバウム公爵夫人も姿を現していた。
「リカルド三世陛下のおなりでございます」
謁見の間に揃った王族以外が一斉に臣下の礼をとり、居並ぶ王族たちが敬意を払う中、リカルド三世が謁見の間に姿を現し、王妃エリザベートが続いた。
リカルド三世が玉座に座り、エリザベートが隣の椅子に腰を下ろすとともに、全員が顔を上げた。
リカルド三世の言葉の後、玉座の前にルドルフが呼ばれた。ここから先は、例え妻のアリシアも、娘のアレクサンドラも同行することはかなわない。
「ここに、ルドルフ・バーンシュタインをホーエンバウム公爵に叙し、ホーエンバウム公爵領を与える。今後は、先代ホーエンバウム公爵夫人を心の母と思い、よく助け、尽くし、ホーエンバウム公爵領を現アーチボルト伯爵領と同じく、良く治めるように」
臣下の礼をとり、深々と頭を下げるルドルフにホーエンバウム公爵夫人が歩み寄った。
「この良き日に、ホーエンバウム公爵を迎えることができ、とても光栄です。さあ、王族の一人として、陛下を支える一人として、私の手を取ってください」
ホーエンバウム公爵夫人の言葉に従い、ルドルフは頭を上げると公爵夫人の手を取った。それから、二人はアリシアの元へと向かった。
「今日からは、あなたがホーエンバウム公爵夫人です。その名に恥じないよう、立派に公爵夫人としての役目を果たしてくださいね」
優しく先代公爵夫人は言うと、アレクサンドラをぎゅっと抱きしめた。
「ああ、アレクサンドラ。あなたは今日から私の孫娘も同じ。ジャスティーヌと一緒に、たまにはお茶を飲みにいらっしゃい」
先代侯爵夫人は言うと、笑顔で王族の居並ぶ場所へとアリシア、アレクサンドラを連れていった。そこには、一足早く、ロベルトの婚約者として王族の一人として控えていたジャスティーヌがいた。
ルドルフとリカルド三世が言葉を交わし、そのまま一同は広間へと移動した。
広間では祝宴の支度が整えられており、王族と一部の侯爵家が祝宴の席についた。
「大叔母様、ジャスティーヌが実家に帰ったら、私がすぐに迎えに参りますから、絶対にジャスティーヌを隠さないでください」
ロベルトが楽しそうに言うと、先代侯爵夫人は考え深そうに言った。
「どうしようかしら。ジャスティーヌに愛想をつかされて実家に帰られるような甥御にはジャスティーヌを嫁がせたくはないわね」
「そんな、大叔母様、幼いころからジャスティーヌは私の婚約者なんですから、大叔母様は私の味方でしょう?」
「以前はね。でも、今日からは、私はジャスティーヌさんと、アレクサンドラさんの味方ですからね。あなたも、それから、アントニウスもよく覚悟しておくことね」
先代夫人の言葉に、ロベルトはため息をついた。
このめでたい席でアントニウスの名前を出して欲しくなかったというのが正直なところだった。しかし、聞こえていなかったのか、ジャスティーヌと談笑するアレクサンドラの表情に陰りはなかった。
ブルヴィッツ近衛隊隊長に『プリンセス・ジャスティーヌ』を一枝届けさせた後、ジャスティーヌから、アレクサンドラも帰国したので、王太子妃の行儀見習いを再開したいとの手紙を貰ったロベルトは、その事を父のリカルド三世、母のエリザベートに報告し、改めて身元調査を行った、清廉潔白な者たちでジャスティーヌの周りを固めた。
ジャスティーヌからは憂いが消え、落ち着いた様子で行儀見習いはつつがなく進んでいった。
父のリカルド三世にアーチボルト伯爵をより高い地位に叙爵するようにと進言しようとしていたところで、リカルド三世がアーチボルト伯爵を公爵に叙爵するというので、どのように公爵に叙爵するのだろうかと言う疑問をロベルト自身も持っていたが、それが年老いた大叔母が一人で守っているホーエンバウム公爵の座を与え、大叔母であるビクトリアと義理の親子とし、公爵家の跡取りに迎え入れるという自然な方法で成し遂げるとは、ロベルトには想像もできなかった。
事実、もしリカルド三世が、そのままアーチボルト伯爵をそのまま公爵とし、新しく公爵家を設ける形をとったとしたら、それは社交界でかなりの反感を買い、波風を立てたことだろう。しかし、伯爵が公爵家の養子として、ホーエンバウム公爵の跡をとり、新しく公爵家を設けるのではないとわかり、リカルド三世の聡明さは社交界でも高く評価された。
祝宴の後は、お決まりのダンスパーティーになった。
ジャスティーヌはロベルトと華麗なダンスを何曲か披露し、ルドルフもアリシアとのダンスを披露したが、エスコートする人のいないアレクサンドラとビクトリアは隣同士の席に座り、ダンスを踊る人々を見守った。
「アレクサンドラ、あなたに逢うのは社交界デビューの日以来ね」
「ご記憶戴いていたとは、光栄でございます」
アレクサンドラはかしこまっていった。
「私は、あなたの祖母も同じ。もう少し、砕けた話し方をしても良いのよ。そう、ロベルトが私と話すときのようにね」
「ですが・・・・・・」
「あなたは、私の義理の息子となったルドルフの娘。誰も咎めはしないわ。それとも、孫娘のアレクサンドラが、私を祖母として慕ってくれないと、甥のリカルドに泣きついて、孫娘は祖母と仲良くすることと言う、法律を作ってもらわなくてはいけないかしら?」
茶目っ気たっぷりに言うビクトリアに、アレクサンドラは笑みを零した。
「きっと、そうしたら、殿下がやきもちを妬かれますわ。ジャスティーヌを盗られてしまうと」
「そうね。それは良いかもしれないわ。孫娘二人、誰にも嫁がせたくないと、リカルドに言ってみようかしら。きっとロベルトが泣き叫ぶわね」
ビクトリアは言うと笑い出した。
「でも、殿下は、とてもジャスティーヌの事を愛していらっしゃいます」
「ああ、アレクサンドラ。あなた達は従弟も同じ。あのわんぱく坊主を殿下なんて呼ばなくて良いのよ。ロベルトと及びなさい」
「ですが、そんな・・・・・・」
「あなたは、もう、ホーエンバウム公爵令嬢なのですよ。私の一番上の兄は、リカルド二世。つまり、あなたの父であるルドルフは、私の息子。つまり、私の甥で、現国王であるリカルド三世とは従兄同士になったのです。あなたとジャスティーヌは、ロベルトの従妹も同じなのですよ。もちろん、親しき仲にも礼儀は必要ですが、必要以上にへりくだる必要はありません。あなたは、今やエイゼンシュタインの王族の一員になったのですからね」
ビクトリアの言葉は、まるで魔法のようだった。
「鼻持ちならない娘になってはいけないけれど、これからは侯爵といえども、あなたには敬意を払うようになることを忘れてはいけないわ」
ビクトリアの言葉を聞きながら、アレクサンドラは他の王族の女性たちがどのように人々と接しているかを観察した。
ジャスティーヌは、既に王太子妃となるために行儀見習いをしているので、ロベルトともに堂々とした態度で人々と接しているが、アレクサンドラには、とても真似はできそうになく、アレクサンドラはおとなしくテーブルについたまま、ビクトリアの話を聞いてその場を過ごした。
「屋敷にいつでも遊びにいらして。私は、あなたが望むのであれば、一緒に暮らして王族としてのマナーを教えてあげられますから、遠慮しないでね」
笑顔で言うビクトリアに、アレクサンドラはお礼を言った。それと同時に、ジャスティーヌが嫁ぐまでは傍に居てあげたいという自分の気持ちを伝えた。
「それから私の事は、おばあ様と呼んでくれて良いのよ。ずっと、そう呼ばれるのがずっと夢だったの」
ビクトリアはいたずらっ子のような笑みを浮かべて言った。
アレクサンドラは思わず目を丸くした。
「私は主人が早くに亡くなり、子供がいないので、孫を持つことが夢だったの」
ビクトリアは優しい眼差しでアレクサンドラに話しかけた。
☆☆☆
王宮から差し向けられた馬車に乗り屋敷を後にしたルドルフを追うように、正装に身を包んだアリシアとアレクサンドラも馬車に乗り込んだ。本来、王宮で行儀見習い中のはずのジャスティーヌには早い時間に別途王家から迎えが送られたので、ジャスティーヌは一足早く王宮に向かっていたので、式典に合わせて王宮に赴くのはルドルフ、アシリア、アレクサンドラの三人だけだった。
王宮に着くと、ルドルフを乗せた馬車もアリシアとアレクサンドラを乗せた馬車も王族専用の車付けへと案内された。そして、ルドルフを先頭に、三人はリカルド三世の待つ謁見の間へと向かった。
謁見の間では、既に王太子妃と呼ぶにふさわしい支度を整えたジャスティーヌと正装に身を包んだロベルトが三人を迎えてくれた。
本来、公爵は複数いる王子の一人が臣下に下るときに叙爵される地位であり、臣下が叙爵される爵位は侯爵が限界である。そのため社交界でも『公爵』ではなく『侯爵』の聞き間違いではとずいぶん噂されていたようだったが、ルドルフを始めとする肝心のアーチボルト伯爵家の誰も社交界に姿を現さないので、噂の真相は闇に包まれたまま叙爵式の日を迎えた。
謁見の間には、日頃は姿を現さないホーエンバウム公爵夫人も姿を現していた。
「リカルド三世陛下のおなりでございます」
謁見の間に揃った王族以外が一斉に臣下の礼をとり、居並ぶ王族たちが敬意を払う中、リカルド三世が謁見の間に姿を現し、王妃エリザベートが続いた。
リカルド三世が玉座に座り、エリザベートが隣の椅子に腰を下ろすとともに、全員が顔を上げた。
リカルド三世の言葉の後、玉座の前にルドルフが呼ばれた。ここから先は、例え妻のアリシアも、娘のアレクサンドラも同行することはかなわない。
「ここに、ルドルフ・バーンシュタインをホーエンバウム公爵に叙し、ホーエンバウム公爵領を与える。今後は、先代ホーエンバウム公爵夫人を心の母と思い、よく助け、尽くし、ホーエンバウム公爵領を現アーチボルト伯爵領と同じく、良く治めるように」
臣下の礼をとり、深々と頭を下げるルドルフにホーエンバウム公爵夫人が歩み寄った。
「この良き日に、ホーエンバウム公爵を迎えることができ、とても光栄です。さあ、王族の一人として、陛下を支える一人として、私の手を取ってください」
ホーエンバウム公爵夫人の言葉に従い、ルドルフは頭を上げると公爵夫人の手を取った。それから、二人はアリシアの元へと向かった。
「今日からは、あなたがホーエンバウム公爵夫人です。その名に恥じないよう、立派に公爵夫人としての役目を果たしてくださいね」
優しく先代公爵夫人は言うと、アレクサンドラをぎゅっと抱きしめた。
「ああ、アレクサンドラ。あなたは今日から私の孫娘も同じ。ジャスティーヌと一緒に、たまにはお茶を飲みにいらっしゃい」
先代侯爵夫人は言うと、笑顔で王族の居並ぶ場所へとアリシア、アレクサンドラを連れていった。そこには、一足早く、ロベルトの婚約者として王族の一人として控えていたジャスティーヌがいた。
ルドルフとリカルド三世が言葉を交わし、そのまま一同は広間へと移動した。
広間では祝宴の支度が整えられており、王族と一部の侯爵家が祝宴の席についた。
「大叔母様、ジャスティーヌが実家に帰ったら、私がすぐに迎えに参りますから、絶対にジャスティーヌを隠さないでください」
ロベルトが楽しそうに言うと、先代侯爵夫人は考え深そうに言った。
「どうしようかしら。ジャスティーヌに愛想をつかされて実家に帰られるような甥御にはジャスティーヌを嫁がせたくはないわね」
「そんな、大叔母様、幼いころからジャスティーヌは私の婚約者なんですから、大叔母様は私の味方でしょう?」
「以前はね。でも、今日からは、私はジャスティーヌさんと、アレクサンドラさんの味方ですからね。あなたも、それから、アントニウスもよく覚悟しておくことね」
先代夫人の言葉に、ロベルトはため息をついた。
このめでたい席でアントニウスの名前を出して欲しくなかったというのが正直なところだった。しかし、聞こえていなかったのか、ジャスティーヌと談笑するアレクサンドラの表情に陰りはなかった。
ブルヴィッツ近衛隊隊長に『プリンセス・ジャスティーヌ』を一枝届けさせた後、ジャスティーヌから、アレクサンドラも帰国したので、王太子妃の行儀見習いを再開したいとの手紙を貰ったロベルトは、その事を父のリカルド三世、母のエリザベートに報告し、改めて身元調査を行った、清廉潔白な者たちでジャスティーヌの周りを固めた。
ジャスティーヌからは憂いが消え、落ち着いた様子で行儀見習いはつつがなく進んでいった。
父のリカルド三世にアーチボルト伯爵をより高い地位に叙爵するようにと進言しようとしていたところで、リカルド三世がアーチボルト伯爵を公爵に叙爵するというので、どのように公爵に叙爵するのだろうかと言う疑問をロベルト自身も持っていたが、それが年老いた大叔母が一人で守っているホーエンバウム公爵の座を与え、大叔母であるビクトリアと義理の親子とし、公爵家の跡取りに迎え入れるという自然な方法で成し遂げるとは、ロベルトには想像もできなかった。
事実、もしリカルド三世が、そのままアーチボルト伯爵をそのまま公爵とし、新しく公爵家を設ける形をとったとしたら、それは社交界でかなりの反感を買い、波風を立てたことだろう。しかし、伯爵が公爵家の養子として、ホーエンバウム公爵の跡をとり、新しく公爵家を設けるのではないとわかり、リカルド三世の聡明さは社交界でも高く評価された。
祝宴の後は、お決まりのダンスパーティーになった。
ジャスティーヌはロベルトと華麗なダンスを何曲か披露し、ルドルフもアリシアとのダンスを披露したが、エスコートする人のいないアレクサンドラとビクトリアは隣同士の席に座り、ダンスを踊る人々を見守った。
「アレクサンドラ、あなたに逢うのは社交界デビューの日以来ね」
「ご記憶戴いていたとは、光栄でございます」
アレクサンドラはかしこまっていった。
「私は、あなたの祖母も同じ。もう少し、砕けた話し方をしても良いのよ。そう、ロベルトが私と話すときのようにね」
「ですが・・・・・・」
「あなたは、私の義理の息子となったルドルフの娘。誰も咎めはしないわ。それとも、孫娘のアレクサンドラが、私を祖母として慕ってくれないと、甥のリカルドに泣きついて、孫娘は祖母と仲良くすることと言う、法律を作ってもらわなくてはいけないかしら?」
茶目っ気たっぷりに言うビクトリアに、アレクサンドラは笑みを零した。
「きっと、そうしたら、殿下がやきもちを妬かれますわ。ジャスティーヌを盗られてしまうと」
「そうね。それは良いかもしれないわ。孫娘二人、誰にも嫁がせたくないと、リカルドに言ってみようかしら。きっとロベルトが泣き叫ぶわね」
ビクトリアは言うと笑い出した。
「でも、殿下は、とてもジャスティーヌの事を愛していらっしゃいます」
「ああ、アレクサンドラ。あなた達は従弟も同じ。あのわんぱく坊主を殿下なんて呼ばなくて良いのよ。ロベルトと及びなさい」
「ですが、そんな・・・・・・」
「あなたは、もう、ホーエンバウム公爵令嬢なのですよ。私の一番上の兄は、リカルド二世。つまり、あなたの父であるルドルフは、私の息子。つまり、私の甥で、現国王であるリカルド三世とは従兄同士になったのです。あなたとジャスティーヌは、ロベルトの従妹も同じなのですよ。もちろん、親しき仲にも礼儀は必要ですが、必要以上にへりくだる必要はありません。あなたは、今やエイゼンシュタインの王族の一員になったのですからね」
ビクトリアの言葉は、まるで魔法のようだった。
「鼻持ちならない娘になってはいけないけれど、これからは侯爵といえども、あなたには敬意を払うようになることを忘れてはいけないわ」
ビクトリアの言葉を聞きながら、アレクサンドラは他の王族の女性たちがどのように人々と接しているかを観察した。
ジャスティーヌは、既に王太子妃となるために行儀見習いをしているので、ロベルトともに堂々とした態度で人々と接しているが、アレクサンドラには、とても真似はできそうになく、アレクサンドラはおとなしくテーブルについたまま、ビクトリアの話を聞いてその場を過ごした。
「屋敷にいつでも遊びにいらして。私は、あなたが望むのであれば、一緒に暮らして王族としてのマナーを教えてあげられますから、遠慮しないでね」
笑顔で言うビクトリアに、アレクサンドラはお礼を言った。それと同時に、ジャスティーヌが嫁ぐまでは傍に居てあげたいという自分の気持ちを伝えた。
「それから私の事は、おばあ様と呼んでくれて良いのよ。ずっと、そう呼ばれるのがずっと夢だったの」
ビクトリアはいたずらっ子のような笑みを浮かべて言った。
アレクサンドラは思わず目を丸くした。
「私は主人が早くに亡くなり、子供がいないので、孫を持つことが夢だったの」
ビクトリアは優しい眼差しでアレクサンドラに話しかけた。
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