銀光のbreath 【番外編 追加完了】
8-3
長居は無用だとあたし達を促す征一郎さんには。どんな感謝の言葉も足りないぐらいだった。
「・・・いつか必ず恩返しします」
深く頭を下げたら、顎をクイと持ち上げられて不満げに見下ろされ。
「俺に何度も同じことを言わせるな。礼だの恩だのは必要ない。瑠衣子は黙って甘やかされてろ。出来ないなら躰に分からせるぞ・・・?」
最後にすっと細めた眼差しは間違いなく。本気だった。
征一郎さんが相手だと由弦が全然カワイイ男に思える・・・なんて。
言ったら由弦はやっぱり怒りそう。
倉庫を後にして、車はあたし達の街に向かって走る。
同じ道を戻ってるのかよく分からない。見覚えのない景色が流れ去ってくのを、ただぼんやり眺めてた。
「・・・疲れたか? 眠ってていいぞ」
運転しながら洋秋がやんわり言う。
「うん、・・・大丈夫」
あたしは窓の外を見やりながら、胸元で揺れる銀のカプセルに手をやった。
「・・・・・・ねぇ洋秋」
「ん?」
「・・・撃つつもりだったんだよ、あたし」
唐突に言ったのを洋秋は黙ってその先を待っててくれてた。
「由弦がね。・・・止めたって言ったら・・・洋秋は信じる?」
そのまま間があって。おもむろに返る。
「そうだな。・・・由弦なら止めたろうな」
肯定とも否定ともつかない、願望にも受け取れる答え。
あたしは続けた。
「声が聴こえたの。瑠衣って。・・・気が付いたら手から銃が落ちてて。由弦にちょっと怒られた・・・」
目を落とし、愛おしむように指先でカプセルをなぞる。
陽射しに反射したのか一瞬、銀光を煌めかせた。気がした。
「・・・いつか必ず恩返しします」
深く頭を下げたら、顎をクイと持ち上げられて不満げに見下ろされ。
「俺に何度も同じことを言わせるな。礼だの恩だのは必要ない。瑠衣子は黙って甘やかされてろ。出来ないなら躰に分からせるぞ・・・?」
最後にすっと細めた眼差しは間違いなく。本気だった。
征一郎さんが相手だと由弦が全然カワイイ男に思える・・・なんて。
言ったら由弦はやっぱり怒りそう。
倉庫を後にして、車はあたし達の街に向かって走る。
同じ道を戻ってるのかよく分からない。見覚えのない景色が流れ去ってくのを、ただぼんやり眺めてた。
「・・・疲れたか? 眠ってていいぞ」
運転しながら洋秋がやんわり言う。
「うん、・・・大丈夫」
あたしは窓の外を見やりながら、胸元で揺れる銀のカプセルに手をやった。
「・・・・・・ねぇ洋秋」
「ん?」
「・・・撃つつもりだったんだよ、あたし」
唐突に言ったのを洋秋は黙ってその先を待っててくれてた。
「由弦がね。・・・止めたって言ったら・・・洋秋は信じる?」
そのまま間があって。おもむろに返る。
「そうだな。・・・由弦なら止めたろうな」
肯定とも否定ともつかない、願望にも受け取れる答え。
あたしは続けた。
「声が聴こえたの。瑠衣って。・・・気が付いたら手から銃が落ちてて。由弦にちょっと怒られた・・・」
目を落とし、愛おしむように指先でカプセルをなぞる。
陽射しに反射したのか一瞬、銀光を煌めかせた。気がした。