銀光のbreath 【番外編 追加完了】
breath ~息吹(きざし)~
 去年の今頃は。引っ越し準備やらドレス選びやら、目まぐるしかった。
 仕事休みのたびにあちこち動き回って、でも全く苦じゃない忙しさで。
 あっという間にクリスマスになっちゃったって。正にそんな感じ。

 今年も何やらヤマトが画策してるらしい。4人の結婚一周年記念だとかナンとか。当日まで場所も秘密のシークレットパーティ。
 
『毎年恒例って、ヤマト君言ってたわよー?』

 鈴奈さんがにっこり笑ってた。

 
 由弦を過去形にしない、ヤマトの気持ちが嬉しい。
 いないコトを悲しむんじゃなく。想い出をたくさん話しながら、由弦ならああ言ったね、こうしたねって。あたしと一緒に現在進行形。

 春になったら。洋秋ファミリーと、あたしとちはるとヤマトの真下ファミリーとで、先延ばしにしてた家族旅行に出かける予定。
 夏の花火大会だって秋の果物狩りだって。ちはるを連れて、由弦と出かけよう。もちろん運転手はヤマトに決まってる。

 今年はどうしてもいっぱいいっぱいだったから。自分の誕生日も由弦の誕生日も大泣きで終わった。
 来年は、ちはるとヤマトも追加で。征一郎さんも招待しなくちゃね?




 そうやって。未来(さき)のコトを考える。
 他愛もないコト。『明日はナニ食べよう』でもいい。
 考えて、実行して。それだけでほら。一歩すすんだ。

 それが精一杯でも。毎日が繋がったらね。


 いつの間にか、そこに立ててるんじゃないかって。・・・思うんだ。 
 


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