銀光のbreath 【番外編 追加完了】
「で。昨日からヤマト君、瑠衣ちゃんちに居候なんだ?」

 次の日のお昼、廉とウチに来た鈴奈さん。経緯(いきさつ)を話すと感心気に溜め息を漏らす。

「洋クンからそうなるかもって話は聞いたんだけど。すごい行動力ねー」

 ホットプレートで焼いたお好み焼きを2人で切り分けて食べながら、あたしはちょっと複雑な笑い。

「なんかさ、似てるんだよね。ヤマトと由弦」

「どのへん?」

「こうって決めたら曲がんないトコ」

「あー、瑠衣ちゃん一筋なとこ?」

 コロコロと鈴奈さんが笑った。

「由弦クンといい勝負だよねー」

 勝負されても困るけど!
 
 

 結局あたしは、一緒に暮らすコトを受け容れた。
 厚意に甘えさせてもらう代わりに。家族を知らないヤマトの宿り木に、あたしとちはるがなる。ギブアンドテイク。

 荷物置き場になってた空き部屋をヤマトに譲って、鍵も渡した。
 朝、起きたら寝ぼけ半分のヤマトがいて。『おはよう』って言われたのが、ものすごく久しぶりで。・・・懐かしかった。
 
 
「ヤマト君いい子だから、あたしも安心して瑠衣ちゃん任せられるなぁ」

 鈴奈さんがやんわり微笑む。

「由弦クンを裏切るような真似もしないだろうし」 





 
< 118 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop