銀光のbreath 【番外編 追加完了】
そろそろアラフォーってカテゴリーに突入する年頃だってのに、相変わらず征一郎さんは独身貴族をおう歌してる。
俺の女はちはると瑠衣子でいい、って。言い出したら聞かないとこは兄弟そっくりだよ、由弦。

『じゃあ、いい子で待ってろ』

最後は妖しく笑まれた気配で通話が切れた。

仕事、大丈夫なのかな?
あたしの方が頭をひねって。
まあ秘書の亮君がしっかりしてるから。一人笑い。

征一郎さんがウチに来るのは1カ月ぶりくらい。なにも言わないところがお兄さんらしいよねぇ。

もうすぐ三回忌だもんね。・・・顔を見せてくれるのは嬉しいよ。嬉しいけど。
この日が来るたび思い出すのは辛い。
時間が巻き戻っちゃうから。



・・・みんなの前で強がるのは苦しいんだよ、由弦。
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