銀光のbreath 【番外編 追加完了】
・・・エッ?! うそっっ、ヤマト帰ってきた?!
一瞬にしてプチパニック。
慌ててテレビの上の壁掛け時計に目をやる。10時43分。いつもだったらゼッタイ帰ってこない時間でしょーが!!
失敗したよ! 油断したぁっ。なんだってこんな早く帰ってくんのよ、アンタはぁっ。
あーバレる~っ、泣いてたのがバレる~っっ(泣)。

その1。とにかく証拠隠滅。ティッシュだらけのゴミ箱抱えて、キッチンに猛ダッシュ。分別用のダストボックスに中身を放り込む。
その2。コーヒー淹れるフリで、できるだけ顔見せないよーに誤魔化す!

「姉さん、ただいまー」

「お、おかえりー! どしたのっ?、やけに早いじゃん、今日・・・!」

リビングに入ってきた足音に心持ち振り返る仕草で、思いっ切り明るく。ケド、さすがに鼻声っぽいのは隠せてないかー?!
わざと、ガチャガチャ音を立てながらマグカップを置き、いかにも手が離せない感をアピール。

「あっ、お風呂入ってきちゃいなよっ? その間に軽くツマミでも作っとくし!」

こっちに来させないよう、さり気なくメチャクチャ必死なあたし。

「んーじゃあ、そーしよっかな」

後ろでちょっと眠そうに返って、内心バンザイした時だった。

「・・・なーんて言うと思う?」

少し怒ったような低い声が頭の上に降った瞬間、背中から抱き竦められてた。
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