銀光のbreath 【番外編 追加完了】
『瑠衣。お前を愛してる。死んでも、俺は変わらねーよ』

静かな声。由弦の声。忘れたことなんてない、愛しい声。

『・・・お前が心底、俺に惚れてるのも知ってる。残らずもらってく。だからな』

優しく。髪を撫でてくれる風。みたいな指先。

『これで終わりだ、瑠衣。俺を忘れろ』

そんなの。だって・・・! 
絶句して言葉も出ない。

『俺にすがりついて生きるな。それで幸せか? ちはるから一生、父親って存在(もん)を取り上げるつもりか? ・・・代理(かわり)は本物じゃねぇだろ。俺の娘にそんな寂しい思いをさせるな、瑠衣』

あたしを背中から抱きしめて、言い聞かせるみたいに。
聞き分けろと、あやすみたいに。  
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