銀光のbreath 【番外編 追加完了】
「・・・煙草買いに行ってくる。瑠衣、付き合うか?」
「あ、うん。行く」
食後に珈琲でも、って鈴奈さんがキッチンに向かったところで洋秋が不意に。
あたしはコートを、洋秋はフード付きジャンパーを羽織って外に出た。
通り沿いのコンビニまでは歩いても10分とかからない。静かな夜の住宅街を二人で歩く。
「瑠衣。・・・・・・ありがとな」
煙草に火を点け白い吐息を上へ逃して、洋秋が言った。
「おかげでアイツにやっと・・・旦那らしい事がしてやれる」
「あたしは別になんにもしてないよ?」
とぼけて見せれば。
大きな掌があたしの頭を柔らかに撫でた。
「お前達が一緒なら、鈴奈も遠慮しねぇだろうと思ったのさ。せめてウェディングドレスくらいは着させてやりたかったしな」
ずっと。ここまで洋秋を支えてくれた大事なひとの為。
愛しさと想いがひしと伝わってくる。
「・・・鈴奈には親不孝させちまったのに、アイツは文句ひとつ言わなくてな。トモダチって呼べる奴も置いて来させて、俺は何もしてやれなかったが」
見上げた横顔に、どこか苦そうな切なさが滲んで見えた。
「瑠衣や由弦が居てくれたからな・・・。鈴奈も掬われてたんじゃねぇかと思う。これからも頼むな」
そう言って儚そうに笑う。
お礼なんて。・・・そんなの当たり前だよ洋秋。
だってダイスキなヒトの為に何かしたいって、あたしも同じだもん。
大好きな人の、大事なヒトの為でも何でもするよ。
「・・・洋秋はあたしの大事なイトコだからね。鈴奈さんも大事なお姉さん。家族なんだから、言われるまでもないよ?」
本心から。素直に。
鈴奈さんの妊娠を由弦から聴くまでは。まだどっか、洋秋への未練を引き摺ってた。
あたしに対する愛情は、家族への親愛だって分かってても。どっか諦めきれてなかった。
洋秋が好きだった。過去形。もう言い切れる。
温泉にね、流してきちゃったから。鈴奈さんの言うとおり。
「洋秋」
「・・・ん?」
紫煙をくゆらせながら優しい眼差しが返る。
「愛してる」
あたしの告白を。一瞬、目を細めて。
「ああ・・・俺もだ」
男と女にはなれなかった、それでも愛しい者へ。
決別を込めて。
誓ったのは、新たな絆。
「あ、うん。行く」
食後に珈琲でも、って鈴奈さんがキッチンに向かったところで洋秋が不意に。
あたしはコートを、洋秋はフード付きジャンパーを羽織って外に出た。
通り沿いのコンビニまでは歩いても10分とかからない。静かな夜の住宅街を二人で歩く。
「瑠衣。・・・・・・ありがとな」
煙草に火を点け白い吐息を上へ逃して、洋秋が言った。
「おかげでアイツにやっと・・・旦那らしい事がしてやれる」
「あたしは別になんにもしてないよ?」
とぼけて見せれば。
大きな掌があたしの頭を柔らかに撫でた。
「お前達が一緒なら、鈴奈も遠慮しねぇだろうと思ったのさ。せめてウェディングドレスくらいは着させてやりたかったしな」
ずっと。ここまで洋秋を支えてくれた大事なひとの為。
愛しさと想いがひしと伝わってくる。
「・・・鈴奈には親不孝させちまったのに、アイツは文句ひとつ言わなくてな。トモダチって呼べる奴も置いて来させて、俺は何もしてやれなかったが」
見上げた横顔に、どこか苦そうな切なさが滲んで見えた。
「瑠衣や由弦が居てくれたからな・・・。鈴奈も掬われてたんじゃねぇかと思う。これからも頼むな」
そう言って儚そうに笑う。
お礼なんて。・・・そんなの当たり前だよ洋秋。
だってダイスキなヒトの為に何かしたいって、あたしも同じだもん。
大好きな人の、大事なヒトの為でも何でもするよ。
「・・・洋秋はあたしの大事なイトコだからね。鈴奈さんも大事なお姉さん。家族なんだから、言われるまでもないよ?」
本心から。素直に。
鈴奈さんの妊娠を由弦から聴くまでは。まだどっか、洋秋への未練を引き摺ってた。
あたしに対する愛情は、家族への親愛だって分かってても。どっか諦めきれてなかった。
洋秋が好きだった。過去形。もう言い切れる。
温泉にね、流してきちゃったから。鈴奈さんの言うとおり。
「洋秋」
「・・・ん?」
紫煙をくゆらせながら優しい眼差しが返る。
「愛してる」
あたしの告白を。一瞬、目を細めて。
「ああ・・・俺もだ」
男と女にはなれなかった、それでも愛しい者へ。
決別を込めて。
誓ったのは、新たな絆。