銀光のbreath 【番外編 追加完了】
 車の中で由弦は行きよりも無口だった。
 ハンドルを握ってない方の片手を固く繋げて、1ミリだってあたしの手を離そうとしない。

「・・・瑠衣」

「なに?」

「ホテル、行ってもいいか」

 目を丸くして。・・・えーと。

「・・・今?」

「ああ」

 ダークなスーツ姿の男前にそんな真顔で言われちゃったらねぇ。

「別に・・・いいけど」

 まだ陽も暮れない内から。って思わなくもなかったけど。ずっとあたしになにか云いたそうにしてるから。見えない熱と一緒に握ってる掌が、ね。


 途中で国道を右折してしばらくすると、こんなトコにあったの、ってラブホが出現した。外見も割りと新しめで、迷うことなくインスパイアが滑り込んでく。
 あんたの御用達か、と思ったらちょっと胸クソが悪かった。これだから男って!
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