銀光のbreath 【番外編 追加完了】
由弦のお兄さんの征一郎さんが姿を見せてくれたのは、始まって1時間経ったくらいの頃。
チャコールグレーの三つ揃いにストライプ柄のシャツ。白のネクタイが、野性味のあるイケメン顔をちょっと爽やかに見せてる。
由弦と6歳違いで、たしか3年くらい前に自分の会社を作って社長さんやってるんだけど、どんどん事業も拡大して業績が伸び盛りらしい。
長身で体格も良いし、大胆で強者ってイメージの征一郎さん。久しぶりに見ても比べちゃうと由弦が大人しめに見える。
今日は、こっちもスーツ姿が決まってる寡黙そうなイケメン君を一緒に連れて来てた。歳はあたしと同じくらいか、ちょっと下?
『俺の秘書の日下だ』
紹介された彼は礼儀正しく黙って頭を下げた。
「ヒロ、瑠衣子、由弦、それと鈴奈だったか。まとめて結婚とはねぇ。あんまり俺をのけ者にするなよ」
「兄貴もそろそろ落ち着けよ」
「一人の女に絞るのは苦手でな」
6人でグラスを合わせ、さっそく兄弟ならではの会話が。
「瑠衣子も災難だったな。由弦のしつこさに辟易して、しょうがなく結婚決めたのか?」
テーブルの前で、お料理をつまみながら。征一郎さんがククッと笑い、あたしを見やる。
「まあしつこいお陰で、ってカンジです」
悪戯っぽく笑い返して隣りを見上げると、由弦がすんごい嫌そうな顔してた。
「ヒロのとこはデキたんだろう? 生まれるのが楽しみだな」
「写真送りますよ」
「嫌味か」
征一郎さんの切り返しに屈託なく洋秋が笑う。
いつもは大人びてる洋秋が、“兄”を前にするとちょっとあどけない。
チャコールグレーの三つ揃いにストライプ柄のシャツ。白のネクタイが、野性味のあるイケメン顔をちょっと爽やかに見せてる。
由弦と6歳違いで、たしか3年くらい前に自分の会社を作って社長さんやってるんだけど、どんどん事業も拡大して業績が伸び盛りらしい。
長身で体格も良いし、大胆で強者ってイメージの征一郎さん。久しぶりに見ても比べちゃうと由弦が大人しめに見える。
今日は、こっちもスーツ姿が決まってる寡黙そうなイケメン君を一緒に連れて来てた。歳はあたしと同じくらいか、ちょっと下?
『俺の秘書の日下だ』
紹介された彼は礼儀正しく黙って頭を下げた。
「ヒロ、瑠衣子、由弦、それと鈴奈だったか。まとめて結婚とはねぇ。あんまり俺をのけ者にするなよ」
「兄貴もそろそろ落ち着けよ」
「一人の女に絞るのは苦手でな」
6人でグラスを合わせ、さっそく兄弟ならではの会話が。
「瑠衣子も災難だったな。由弦のしつこさに辟易して、しょうがなく結婚決めたのか?」
テーブルの前で、お料理をつまみながら。征一郎さんがククッと笑い、あたしを見やる。
「まあしつこいお陰で、ってカンジです」
悪戯っぽく笑い返して隣りを見上げると、由弦がすんごい嫌そうな顔してた。
「ヒロのとこはデキたんだろう? 生まれるのが楽しみだな」
「写真送りますよ」
「嫌味か」
征一郎さんの切り返しに屈託なく洋秋が笑う。
いつもは大人びてる洋秋が、“兄”を前にするとちょっとあどけない。