銀光のbreath 【番外編 追加完了】
お墓も司法上の色んなことも。すべて征一郎さんがしてくれた。
同じ市内の郊外にある、車で40分ほどのメモリアルパーク。
緑の芝生に整然と並ぶ墓標はいくつかのエリアに分かれ、番地が付いて街のようだった。
葬儀はしなかったから納骨の時にお経をあげてもらい、家族全員と水上組の主要メンバーで見守る中、由弦は静かに埋葬された。
真下家って彫り込まれた洋型の墓石に。由弦の名前と、享年28歳の刻字。
由弦が吸ってた銘柄の煙草に洋秋が火を点け、空を仰ぐように長く紫煙をたなびかせた。
「・・・・・・由弦。心配するな、瑠衣もチハルも俺が必ず守る」
静かに言い切って香炉の上に吸いさしを乗せる。
「う、・・・兄、貴ィ・・・ッッ」
ずっと嗚咽してたヤマトが堪えきれなくなったのか号泣した。
あんまりボロボロ泣くから、背中に手を回してさすってあげる。
「・・・・・・泣かないでよヤマト。・・・あんたに泣かれんの、つらい・・・」
言いながらあたしもまた涙が溢れてきた。
「・・・いませ、ん、姉さ、・・・オレが、ついてれば、・・・こ、んな・・・っっ」
「ヤマトのせいじゃ・・・ない」
「けどっっ」
「『ドアホ』って・・・。由弦も怒るよ・・・?」
弱弱しい泣き笑いで、あたしは手にしてたタオルハンカチをヤマトの濡れた頬に優しく押し当てる。
「・・・そうだな。泣いてる場合じゃねぇよ・・・大和。俺達がここで意地を通して見せなきゃ、由弦に顔向けできないだろうが」
洋秋の力の籠もった声に、鼻をすすり上げたヤマトは「・・・はいッッ」と涙交じりに、それでも気迫の返事を振り絞った。
口惜しそうに顔を歪め、必死に耐えようとしてるヤマトを見て。
この傷は。
誰の胸にも一生残って消えないんだろう。
そう思った。
あたしだけじゃない。
洋秋もヤマトも、鈴奈さんだって征一郎さんだって。
ねぇ。由弦。
同じ傷みを分かち合える人がいるだけでも。
少しは・・・掬われるかもしれないね。
傷を舐め合って、それがたとえ上辺だけのカサブタになっても。
いつか。癒えてくならいい。
浅く跡を残したって。
みんなはシアワセであって欲しい。
ココロから。
同じ市内の郊外にある、車で40分ほどのメモリアルパーク。
緑の芝生に整然と並ぶ墓標はいくつかのエリアに分かれ、番地が付いて街のようだった。
葬儀はしなかったから納骨の時にお経をあげてもらい、家族全員と水上組の主要メンバーで見守る中、由弦は静かに埋葬された。
真下家って彫り込まれた洋型の墓石に。由弦の名前と、享年28歳の刻字。
由弦が吸ってた銘柄の煙草に洋秋が火を点け、空を仰ぐように長く紫煙をたなびかせた。
「・・・・・・由弦。心配するな、瑠衣もチハルも俺が必ず守る」
静かに言い切って香炉の上に吸いさしを乗せる。
「う、・・・兄、貴ィ・・・ッッ」
ずっと嗚咽してたヤマトが堪えきれなくなったのか号泣した。
あんまりボロボロ泣くから、背中に手を回してさすってあげる。
「・・・・・・泣かないでよヤマト。・・・あんたに泣かれんの、つらい・・・」
言いながらあたしもまた涙が溢れてきた。
「・・・いませ、ん、姉さ、・・・オレが、ついてれば、・・・こ、んな・・・っっ」
「ヤマトのせいじゃ・・・ない」
「けどっっ」
「『ドアホ』って・・・。由弦も怒るよ・・・?」
弱弱しい泣き笑いで、あたしは手にしてたタオルハンカチをヤマトの濡れた頬に優しく押し当てる。
「・・・そうだな。泣いてる場合じゃねぇよ・・・大和。俺達がここで意地を通して見せなきゃ、由弦に顔向けできないだろうが」
洋秋の力の籠もった声に、鼻をすすり上げたヤマトは「・・・はいッッ」と涙交じりに、それでも気迫の返事を振り絞った。
口惜しそうに顔を歪め、必死に耐えようとしてるヤマトを見て。
この傷は。
誰の胸にも一生残って消えないんだろう。
そう思った。
あたしだけじゃない。
洋秋もヤマトも、鈴奈さんだって征一郎さんだって。
ねぇ。由弦。
同じ傷みを分かち合える人がいるだけでも。
少しは・・・掬われるかもしれないね。
傷を舐め合って、それがたとえ上辺だけのカサブタになっても。
いつか。癒えてくならいい。
浅く跡を残したって。
みんなはシアワセであって欲しい。
ココロから。