君のために、死んであげる
「あ」

「おや」


そこにいたのは、背の高い、モデルのような美青年


「デーガ!?」

「久しぶりだね、朱咲実」


9ヶ月ぶりか?
私も、この世界に来てから10ヶ月ぐらいたったのだが

「ど、どこ行ってたの!?」

「ん、出張だよ?マドマーゼ」

「マド……デーガ、変わってないね」

「君は、少し大人っぽくなったかな?」


んなわけないでしょ〜と私は照れる

自分でも、ちょろいな、とさえ思った


「んで、そこで何してたの?」
「王子…我がプリンスの妻の手続きに、ね」

「あ………」



そうだった、シューは、結婚するんだっけか

私は、少し暗い顔になる



「朱咲実……?君、もしかして………」

「え?」

「あ、いや、何でもないよ」



デーガは少し困ったように笑い、じゃあねと言って歩いて行った



結局暇なので、シューのいる部屋へ、私は戻っていった


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