君のために、死んであげる
「わ〜〜……………」



綺麗な中庭だ。教会の周りにはたくさんの花壇があり、見事な景色だった


「すんごいね…」

「そうか?」


「うん」




二人は、教会の裏へ歩く

「この壁に穴作れるかな?」

「穴?」


「穴作ったら入れるかもよ?」

「………やってみるか?」

「うん」



「つっても、どこ掘ればいいんだろう」

「向こうの床に通じるぐらい、じゃないのか?」


向こう、か………


「とにかく、今日は掘れるだけ掘って、そのあとの事を考えよう」

「あぁ」





それから使用人にバレないように、私とシューでできるだけ深く掘った

日が暮れたぐらいに、二人は部屋へ戻り、また作戦を練った




「で、私が穴をくぐると」

「あぁ。そこで俺は結婚相手に謝り、朱咲実と穴から出る」

「うん!」

ちゃんと謝るんだね、そこは

やっぱ好きだ、と、心の中でつぶやいた
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