君のために、死んであげる
「そんな過去が…………」

一通り聞き終わった朱咲実は、涙をボロボロ流しながらテキリスを思った

「これを、止める術はない」

シューのお父さんは、あっ、と思い立ったように朱咲実を見た

「だが、呪いを移すこともできる」
「呪いを、移す……」
「あぁ。移される奴の承諾があれば、な」

私はゴクリと唾を飲み込んだ

「移された人は、どうなるんですか?」
「その代だけ……その人だけ移され、呪いは消える」

シューのお父さんは、「しかし…」と続けた

「移された人は、私達より死期が近づくのが早いんだ。……………その時間は……30分」

つまり……私が死を受け継いでも30分しか、シューといられないんだ

私は、ハハっと笑った

「残酷ですね、30分なんて」


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