君のために、死んであげる
「ねぇシュー」

「なん、だよ」



恥ずかしそうにしゃくりあげるシューに、私は続けた

「結婚相手には、もう会ったの?」

「あぁ」



「どんな人?」

「………美人……」

「まじか」



ちょっと、会ってみたいかも


その時……

「……ゔ………ッ」

心臓が、痛い



「あ、あぁ………っ」

「朱咲実っ!?」



息が、できないよ…………

はぁっ、はぁ、ぁっ……と、わたしは荒い息をした




嫌だな、死にたくない

でも、シューには幸せになってもらわなきゃ



さいわい、私には家族がいない

みんな、事故で死んじゃったから





シュー、の、声、が聞こえ、る

「まて、朱咲実っ俺は、まだ言えてないんだよ…………っ」



私は声を絞り出した


「何、…………………が?」








「お前が、好きってことが………」





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