月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
イケメンの片方は王子で、もう一人は王子の付き人である事。

将来の女王は、王子の母親違いの妹だけれど、二人は愛し合っている事。

途中で穴の中に引きずり込まれたけれど、それは事前に本で読んでいたから、二人を救う事ができた事を話した。


「なんか不思議だね。本の中と経験がリンクしてるなんて。」

「うん。」

「しっかし、その王子も苦労人だね。妹を好きになって結ばれないのに、愛し合っちゃうなんてさ。」

「苦労人?」

「そう。恋が実らないなんて、この世の半分の苦労を背負っているみたいなもんだよ。」


ときわらしい言葉に、いつもなら笑っていた。

でも、今はジャラールさんの事を思い出してしまう。


「おおっと!どうしたあ?」

ときわが慌てて、背中を擦ってくれた。

「本当だよね。恋が実らないって、辛くて辛くて仕方ないよね。」

「ええ〜ええ〜それは〜光清の事じゃないよね。」

「うん!」
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