月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
く〜〜

本のイラストよりも爽やか系でいい男だよ。

アラブ系でもこんな人いるの?

ヤバイ!

アイドルみたい。


「クレハ?」

「は、はい?」

「急にどうした?」

一気に不信な視線をなげかける二人。

「あっ、いや。なんでもない。」

まさかカッコ良すぎて、興奮していたなんて言えない。


「ハハハ!」

しかもジャラールさん、笑ってるよ。

「面白い女だ、クレハは。」

「あっ。ありがとうございます。」

一応、お礼は言っとく。


「どうだ?クレハ。もし行き先が決まっていないなら、俺たちと一緒に旅をしないか?」

「旅!?」


うそ………

私、あの本の主人公に誘われている!?


「ジャラール様。まだ何者か分からぬのに。危険です。」

「大丈夫だ、ハーキム。クレハは我々を騙すような人間 ではない。」


心臓がドクンっと、波打つ。

この人、私の事信じてくれた。

「共に参ろう。」

そう言って、ジャラールさんはスッと右手を差し出してくれた。
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