月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
ジャラールさんの"大事な人"発言に、身悶えする。

落ち着け、自分!

ここはジャラールさんの腕の中!


そんな自問自答を繰り返していると、あっという間に階段を登りきった。

「あっ、じゃあここで……」

「部屋まで送ると、言っただろ。」

ジャラールさんは、私を抱えながら、廊下を歩く。

その様子を廊下にいる警備の人が、ガン見してくる。


「ジャラールさん。この情況って、かなりまずいのでは?」

「そうか?」

「ジャラールさんはいつも、女の人を抱き抱えているの?」

「そう言えば、あまりないな。」

それだよ!

警備の人が、私をガン見している理由。


するとジャラールさんは、部屋のドアを開けて、そのまま隣の寝室へ。


ええ!?

な、何する気?


私の緊張を他所に、ジャラールさんは私を自分のベッドに降ろした。

私を上からジャラールさんが、覗きこむ。
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