月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「あっ‼なんだよ、紅葉!」

ときわは隣で、お腹を抱えて笑っている。


忘れよう。

光清が言った通り、所詮は夢なんだし。

折角の社員旅行なんだから、楽しまないと。


会社に着いた私たちは、神崎部長と合流。

「全員揃ったわね。秋の京都は最高よ!さあ、みんな。出発よ。」

先ずは新幹線に乗る為に、会社からバスで駅まで移動。


「なんで駅集合にしなかったんだろう。」

私は素朴な疑問を投げ掛けた。

「私は駅集合反対。駅前は狭くて時間かかりそうだし。」

「俺も。ごちゃごちゃしているのは、性に合わない。」

なんとなく。

駅集合にしなかったのは、この二人のせいなのではないかと思い始めた。


その後、駅に着いて新幹線乗り場まで移動。

順番に車両に乗って行く。

「紅葉、窓際と通路側どっちがいい?」

「私は窓際だな。」

荷物を置いて席に座ると、隣に光清が座った。
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