月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
爪を観察するときわ。

ちなみに一般ピーポーの私は、恥ずかしながらまだ京都へ行った事がない。

みんなは海外へ行きたがっていたようだか、私は心の中じゃ嬉しがっていた。


「紅葉は調べた方がいいでしょ?」

ときわの無邪気な嫌みに堪える。

「そうだね。」

私はもっと奥へと、京都の本を探しに行った。

「俺も行くよ。」

あぐらをかいていた光清が、何故か付き添ってくれた。


資料室の奥側半分が、本棚になっている。

「へえ。資料室って、いろんな本あるんだ。」

あまり来た事のない私は、興味津々。

「うちの会社の資料室、結構本は多いよ。」

光清が後ろから付いてくる。

「よく知ってるね。」

「俺、結構資料室来るんだ。」

見た目+営業の成績も上位に入る光清。

"資料室によく来る"と聞いても、全く驚かない。


二人で本棚を見ながら歩いていると、国内の地名が書いてある本があった。

おそらくあそこに、京都関係の本が、あるのだろう。
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