月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
砂漠のイラストが書かれている。

ラクダに乗った人が二人。

月夜も書かれていた。


「旅のお話?」

全く読めない文字を横目に、想像だけが膨らんだ。

ページを捲る度に、その量は増えていった。

次々に現れる砂漠のイラストも、その手伝いをした。

やがて砂漠にオアシスが描かれ、そこに辿り着いた旅人は、綺麗な宝石を手にする。

その宝石を手に入れた二人は、王宮らしき豪邸に帰り、旅人の一人は、美しい女の人にその宝石を渡す。


「何、これ?このお姫様に、宝石探してあげるお話?」

それはそれで、めでたいのか?

最後は渡した旅人と、美しいお姫様は結ばれてるようだし、ハッピーエンドじゃん。

うんうん。

バットエンドは、読んでて悲しいし、あんまり面白くないよね。

やっぱり物語は、ハッピーエンドじゃなきゃ!


「ごめんごめん、紅葉。」

光清が慌てて、側に来た。
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