月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
あちゃ〜

私、光清にサジ投げられた?

「あっ!光清、門が見えてきたよ!」

さりげなく、光清の腕を掴む。

「待って、紅葉。」

心なしか光清、元気が出たみたい。


「ここで写真撮ろう!」

スマホ片手に、光清とポーズ。

だけどポーズを撮った途端、目の前がふっと暗くなる。

「紅葉!」

気付くと、私は足元に倒れいた。

「宮津さん!?」

神崎部長も駆けつけてくれた。

「大丈夫?」

「は、はい……」


何が起きたのか、分からない。

「紅葉。スマホは壊れてないようだよ。立てる?」

光清が、スマホを渡してくれた。

「うん……ありがとう。」

光清の手を握って、立ち上がる。


なんで私、倒れちゃったんだろう。


「はい、じゃあポーズ。」

「えっ?」

顔を上げた時に、パシャっと写真を撮られた。

「あっ!光清!」

「だって紅葉。気を抜くと、すぐボーッとするし。」

< 78 / 300 >

この作品をシェア

pagetop