月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「何でそこで、光清が私に告白する事になるのよ。」

「あれ?告白されてない。これは失礼。」

ときわは自分のおでこをぺちっと叩いて、私から逃げようとする。

「待ってよ、ときわ。」

私はときわの肩を掴んだ。

「光清が私を好きだって、知ってたでしょ。」

ときわは、ゆっくりこっちを向く。

「ああ、別に本人から直に聞いたわけじゃないよ?ただなんと言うか〜〜側にいたら気づいちゃった感じ?」

私は軽くため息をついた。

「この話、光清には言わないで。」

「ラジャー!」

ときわは小さく敬礼。

だからときわは、憎めない。


「じゃあ私は一団に戻るから。」

「はあ?」

同じグループのはずなのに、ときわは私達から離れ、また男子に囲まれに行った。


仕方なく光清を追いかける私。


「あっ、来た。紅葉!」

光清が本堂の前で、私を待ってくれていた。

「待たせてごめん。」

「ううん、さあ行こう。」
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