手をつなごう
四年生は就活でスーツを着ていることが多い。
「いいって、一緒に食べましょうよ。俺、二年のベトナム語学科です」
腕を掴まれた。年下、ベトナム……アジア言語。
ちょっと興味がある。
「ねえ、なんでベトナム語やろうと思ったの?」
アジア言語の友達がいないので、そういう専門性のある言語を習得するのって少し憧れもあった。
「俺は祖母がベトナム人で。だから……いちおうクウォーターになるんですかね」
「確かにちょっと異国の血が入ってそうな感じ」
それに苦笑して、彼はテーブルの上で手を組む。
聞き飽きた言葉なのかもしれない。