手をつなごう
しかも四年付き合った今になって言うのは何故。
いや、と首を振る。わたしはその様子を見て、さらに首を傾げる。半周しない内に理由を。
「入学式のときに話してたの聞いた」
「えええ……」
「引かないでもらえますか。声が大きいんだよ、澪は」
呆れた顔で肩を竦める。
いやいやちょっと待って。
「入学式のときからわたしのこと知ってたの?」
「いや、そのときは知らなかった。後々あれって澪だったなってリンクした」
それもなかなか恥ずかしいんですが。
まあ少し嬉しい気持ちも、なくはない。
「わたしも乙樹のこと、入学式で見かけたよ」