まりかの宝石

 羨んだ、なんでそんなに純粋に祈れるのかと。

 恨んだ、責められた気がして。

 信じていることの美しさを見せつけられた気がして、自分勝手に蔑んだ。

 恋をして、大切にしている。

 それだけでいい。

 なのになぜそんなにも攻め立てるのかと、気が狂いそうだった。

 純粋無垢なその姿勢、何にでも縋る、心のそこから目覚めて欲しいと願っているから。

 俺は、何もできず、彼女を心の底で嫌悪し妬み続けた。

 嫉妬した。

 
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