まりかの宝石
参
感謝を、している。
本当は。
脆くて壊れそうな心に寄り添えるほど器用ではないから。
彼女の存在がどれほどこいつの支えになっているか知れない。
心を通わすことも、寄り添い支えることもできない。
不器用というよりは弱虫だ。
それでも素直に言葉に出来ないのはやはり、認めたくないから。
邪険に扱っていいはずない、それでも彼女への嫌悪を抑える事ができない。
羨ましいんだ、あんなにも純粋に焦がれて祈ることなど俺にはできないから。
神様はきっといない。
すがる神もいない。
祈ることなど、ばからしい。
そうやって逃げてきた俺には、彼女が眩しすぎて輝きは目に痛くて
嫌悪した。