替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「そういえば、君はどこで育ったんだ?」

「俺は、ここから東に行ったリンブルっていう町で育った。」

「じゃあ、先にそこに行くのか?」

「いや、まずは親友の町に行くつもりだ。
剣のこと…おふくろの墓に報告はしたいけど、それはまだ先だな。」



(そうだ…マリウスさんのお母さんは亡くなって…)



そう思った時…
私はある疑問を感じてしまった。



そう…おばあさんは、私のお父さんとお母さんが本当の両親ではないようなことを言ってた…



もしも、それが本当だったとしたら…



(私は、一体、誰の子なの!?)



そんなことを考えたら、急に気持ちが滅入ってしまった。
私は、両親に不信感なんて感じたことはなかった。
疑ったことなんて、一度もない。
私達の間には、トラブルも全くなかったし。



だから、私が誰か他の人の子供だなんて、今でも信じられない。



「サキ…どうかしたのか?」

「あ、い、いえ…
なんでもありません。」



まだ、両親が本当の両親じゃないってわかったわけじゃないんだ。
落ち込むのは早い。



(そうそう、悩むことなんてない!)



私は自分を無理に励ました。
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