替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




(いたた……)



お尻や腰が痛くて、顔が歪んでしまう。
けっこう長い間、馬車に揺られて、着いた先はこの間の町と似た雰囲気の賑やかで大きな町だった。



「疲れただろう?まずは宿屋を探そうか。」

「はい。」



宿屋はすぐにみつかった。
部屋に入ると、私は気になってたことをマリウスさんにぶつけた。



「あの…フェルナンさんはこの町にいるんですか?」

「いや…ここにはいない。
そんなことより腹が減ったな。
食事に行こう。」



マリウスさんは相当お腹がすいているのか、やけに素っ気ない返事だった。
仕方なく、私はマリウスさんについて部屋を出た。
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