替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
*
「あの…マリウスさん…
フェルナンさんは……」
食事から戻り、私は今一度、フェルナンさんのことを訊ねてみた。
マリウスさんは、私の顔をじっとみつめた。
「フェルナンは、あんたを俺に預けて行った。」
「私を…預けて…?
どういうことですか?」
マリウスさんは、小さな溜め息を吐いた。
「フェルナンは、あんたのことをとても心配していた。
自分は追われる身だから、いつまた追っ手が現れるかもしれない。
そのことで、もし、あんたに迷惑をかけるようなことになったら申し訳ないから、自分は一人で行動するって…
それで、俺はあんたを預かってくれって頼まれた。
俺のことを信頼して頼むって。
知り合ったのも何かの縁だ。
俺はあんたの記憶が戻るまでしっかりあんたを守るから、心配はしないでくれ。」
「そんな……」
とてもショックだった。
フェルナンさんが私のことを心配してくれるのはありがたいけど、こんなの酷い!
急に私の前からいなくなるなんて、あんまりだよ。
しかも、私に黙って…
悲しくて、涙が零れた。
「彼も考えてのことなんだと思う。
きっと…あんたのことが好きだから、決断したんじゃないかな?」
(好き…!?)
昨夜のキスには、そんな想いがこもってたのかと思うと、なおさら涙は溢れ出た。
(私…迷惑に感じたことなんてなかったのに…
これからもずっと一緒にいられると思ってたのに…)
溢れる涙が止まらない…
困り顔のマリウスさんの前で、私は張り裂けるような想いを涙に変えた。
「あの…マリウスさん…
フェルナンさんは……」
食事から戻り、私は今一度、フェルナンさんのことを訊ねてみた。
マリウスさんは、私の顔をじっとみつめた。
「フェルナンは、あんたを俺に預けて行った。」
「私を…預けて…?
どういうことですか?」
マリウスさんは、小さな溜め息を吐いた。
「フェルナンは、あんたのことをとても心配していた。
自分は追われる身だから、いつまた追っ手が現れるかもしれない。
そのことで、もし、あんたに迷惑をかけるようなことになったら申し訳ないから、自分は一人で行動するって…
それで、俺はあんたを預かってくれって頼まれた。
俺のことを信頼して頼むって。
知り合ったのも何かの縁だ。
俺はあんたの記憶が戻るまでしっかりあんたを守るから、心配はしないでくれ。」
「そんな……」
とてもショックだった。
フェルナンさんが私のことを心配してくれるのはありがたいけど、こんなの酷い!
急に私の前からいなくなるなんて、あんまりだよ。
しかも、私に黙って…
悲しくて、涙が零れた。
「彼も考えてのことなんだと思う。
きっと…あんたのことが好きだから、決断したんじゃないかな?」
(好き…!?)
昨夜のキスには、そんな想いがこもってたのかと思うと、なおさら涙は溢れ出た。
(私…迷惑に感じたことなんてなかったのに…
これからもずっと一緒にいられると思ってたのに…)
溢れる涙が止まらない…
困り顔のマリウスさんの前で、私は張り裂けるような想いを涙に変えた。