替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
リゴレット王国
*
「サキ、もう少しだからな。
ほら、あそこに関所があるのが見えるだろ?
あれがリゴレットの関所だ。」
あれからまた時は流れ…
私達は、アンセルさんのいるリゴレットの城下町に近付いていた。
今度こそ、親友に会えると思っているせいか、マリウスさんは晴れやかな顔をしていた。
それに引き換え、私はまだフェルナンさんのことを引きずっていて…
とてもじゃないけど、元気なんか出て来ない。
こんなことじゃいけない。
早くフェルナンさんのことは忘れようって思うのに、全然忘れられないどころか、却って辛くなる始末。
一緒にいたのはほんの数か月だったけど…
でも、私の心の中で、フェルナンさんの存在は日々大きくなっている。
(フェルナンさん…会いたいよ……)
不意に込み上げた熱い涙を、私は俯いてそっと拭った。
「サキ、もう少しだからな。
ほら、あそこに関所があるのが見えるだろ?
あれがリゴレットの関所だ。」
あれからまた時は流れ…
私達は、アンセルさんのいるリゴレットの城下町に近付いていた。
今度こそ、親友に会えると思っているせいか、マリウスさんは晴れやかな顔をしていた。
それに引き換え、私はまだフェルナンさんのことを引きずっていて…
とてもじゃないけど、元気なんか出て来ない。
こんなことじゃいけない。
早くフェルナンさんのことは忘れようって思うのに、全然忘れられないどころか、却って辛くなる始末。
一緒にいたのはほんの数か月だったけど…
でも、私の心の中で、フェルナンさんの存在は日々大きくなっている。
(フェルナンさん…会いたいよ……)
不意に込み上げた熱い涙を、私は俯いてそっと拭った。