替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
すぐに返事は出来ない。
正直言って、好きでもないどころか、顔さえも知らない人と結婚なんてしたくない。
それに、私には好きな人がいる。
でも、シャルアさんのことを考えたら…
そんなことは言えないような気分になって来る。
まだ若いのに…
長くは生きられないなんて滅茶苦茶辛いことだと思う。
それなのに、自分のことよりも国や民のことを考えるなんて…
それに…
この国には来たばかりだから何の愛着もないけれど、ガザンみたいになることを考えたら、それはやっぱり辛い。
けれど…
私は本当にそこまでしなくちゃいけないんだろうか?
双子だったというだけで、異界に捨てられた私に…
いや、捨てたのとは違うかもしれない。
私のために、両親の役割をするあの二人を派遣してくれて…
そのおかげで、私は何の疑問も感じずに、ずっと幸せに暮らして来た。
「……しばらく考えさせて下さい。」
今の私に言えたのはそれだけだった。
「そうですね。
こんなこと、すぐには返事出来ませんよね。
サンドラ…シャキアをあの部屋へ…」
「わかりました。
シャキア様、参りましょう。」
「待って下さい。
マリウスさんも一緒にお願いします。」
「マリウス?さっきの男ですか?」
「はい。」
「シャルア様、どうしましょう?」
サンドラさんはその返事をシャルアさんに求めた。
「その者はどういう者ですか?」
「今まで私を助けてくれた人です。
ガザン王家の血を引く方なんです。」
「えっ!?では、テレジアが話していたあの……」
シャルアさんとサンドラさんは、同じように驚いた顔を見合わせた。
正直言って、好きでもないどころか、顔さえも知らない人と結婚なんてしたくない。
それに、私には好きな人がいる。
でも、シャルアさんのことを考えたら…
そんなことは言えないような気分になって来る。
まだ若いのに…
長くは生きられないなんて滅茶苦茶辛いことだと思う。
それなのに、自分のことよりも国や民のことを考えるなんて…
それに…
この国には来たばかりだから何の愛着もないけれど、ガザンみたいになることを考えたら、それはやっぱり辛い。
けれど…
私は本当にそこまでしなくちゃいけないんだろうか?
双子だったというだけで、異界に捨てられた私に…
いや、捨てたのとは違うかもしれない。
私のために、両親の役割をするあの二人を派遣してくれて…
そのおかげで、私は何の疑問も感じずに、ずっと幸せに暮らして来た。
「……しばらく考えさせて下さい。」
今の私に言えたのはそれだけだった。
「そうですね。
こんなこと、すぐには返事出来ませんよね。
サンドラ…シャキアをあの部屋へ…」
「わかりました。
シャキア様、参りましょう。」
「待って下さい。
マリウスさんも一緒にお願いします。」
「マリウス?さっきの男ですか?」
「はい。」
「シャルア様、どうしましょう?」
サンドラさんはその返事をシャルアさんに求めた。
「その者はどういう者ですか?」
「今まで私を助けてくれた人です。
ガザン王家の血を引く方なんです。」
「えっ!?では、テレジアが話していたあの……」
シャルアさんとサンドラさんは、同じように驚いた顔を見合わせた。