替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「サンドラ、その方は今どこに?」

「控えの間にいらっしゃいます。」

「すぐにお呼びして下さい。」







すぐに、緊張した様子のマリウスさんが、部屋に入って来た。



「こちらは、リゴレットの王女・シャルア様です。」

「良くおいで下さいました。
私がこの国の王女、シャルアです。
体調がすぐれませんので、こんなところから申し訳ありません。」

シャルアさんは、カーテン越しにそう話した。



「そんなことお気になさらずに…
初めまして。王女様。
俺はマリウスと言います。」

「そなたが、ガザン王家の血を引くというのは本当ですか?」

「はい。」

マリウスさんは、腰の剣をシャルアさんの方に向けた。



「その紋章は…!
シャルア様、ガザン王の剣に間違いありません。」

サンドラさんは目を丸くしていた。
マリウスさんは、最近、剣をみつけたこと…剣を鞘から引き抜くことが出来たことを話した。
そして、ガザンの末裔とわかったからには、ガザンを再興するつもりだということも。
二人はマリウスさんの話を、興味深い様子で聞き入っていた。



「マリウス様、ご存知でしょうか?
我が国リゴレットからガザンに嫁がれた王女がいたのですよ。」

「そうなんですか?知りませんでした。」

「ガザンの再興にあたり、我が国もきっと何らかの協力が出来ると思います。
ぜひ、国王にもお会いになって下さい。」

「ありがとうございます!ぜひ、そうさせていただきます!」



まさか、リゴレットとガザンにそんな縁があったとは…
その縁のおかげで、ガザン再興にますます光が見えて来た感じだ。
それは良かったとは思うけど…
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