替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
*
「シャキア様、あなたはしばらくここで過ごして下さい。」
王女様の部屋の書棚がすーっと横にずれると、そこには細い通路が現れた。
壁の両脇には、ところどころに明かりが埋め込まれてるから、移動には困らない。
道は何か所か曲がり角があり、それらを何度も曲がりながらけっこう歩いた。
すると、突き当りに扉が現れた。
鍵はかかっておらず、扉はすぐに開いた。
「ここは?」
「隠し部屋です。
ここのことは、シャルア様と私とシャルア様の侍女しか知りません。
申し訳ないのですが、ここからは絶対に出ないで下さい。
あなた様の存在は、知られてはいけないのです。」
なんだかちょっといやな気分だけど、それは仕方ないことなのかもしれない。
なんせ、私は、生まれなかったことにされてる存在なんだから。
でも、大丈夫なのかな?
関所のおじいさんとか、サンドラさんのお付きの人も私の顔を見てるはずだけど…
「マリウス様は、明日の朝、お連れします。」
「……わかりました。」
「すぐにお食事をお持ちします。」
そう言って、サンドラさんは部屋を出て行った。
部屋の中に一人取り残されて…
頭の中で、さっきのことがぐるぐると回ってる。
私がこの国の王女…?
私には姉がいて、だけど、その人は明日をも知れない命で…
この国のため、私は見も知らぬ人と結婚させられる。
そうしなければ、この国は滅びてしまうから…
やっぱり、まだ信じられない。
考えれば考える程、信じられない。
混乱し過ぎて、なにがなんだかよくわからない。
私の頭はすでにパンク寸前だ。
重い頭を抱え、俯くことしか私には出来なかった。
「シャキア様、あなたはしばらくここで過ごして下さい。」
王女様の部屋の書棚がすーっと横にずれると、そこには細い通路が現れた。
壁の両脇には、ところどころに明かりが埋め込まれてるから、移動には困らない。
道は何か所か曲がり角があり、それらを何度も曲がりながらけっこう歩いた。
すると、突き当りに扉が現れた。
鍵はかかっておらず、扉はすぐに開いた。
「ここは?」
「隠し部屋です。
ここのことは、シャルア様と私とシャルア様の侍女しか知りません。
申し訳ないのですが、ここからは絶対に出ないで下さい。
あなた様の存在は、知られてはいけないのです。」
なんだかちょっといやな気分だけど、それは仕方ないことなのかもしれない。
なんせ、私は、生まれなかったことにされてる存在なんだから。
でも、大丈夫なのかな?
関所のおじいさんとか、サンドラさんのお付きの人も私の顔を見てるはずだけど…
「マリウス様は、明日の朝、お連れします。」
「……わかりました。」
「すぐにお食事をお持ちします。」
そう言って、サンドラさんは部屋を出て行った。
部屋の中に一人取り残されて…
頭の中で、さっきのことがぐるぐると回ってる。
私がこの国の王女…?
私には姉がいて、だけど、その人は明日をも知れない命で…
この国のため、私は見も知らぬ人と結婚させられる。
そうしなければ、この国は滅びてしまうから…
やっぱり、まだ信じられない。
考えれば考える程、信じられない。
混乱し過ぎて、なにがなんだかよくわからない。
私の頭はすでにパンク寸前だ。
重い頭を抱え、俯くことしか私には出来なかった。