替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
*
「なんだって?記憶が戻った?」
「は、はい、私はこの城に仕える侍女でした。
ですから、私はここに残ります。」
次の日の朝、マリウスさんが訪ねて来た。
私は隠し部屋を出て、シャルアさんの控えの間でマリウスさんに会った。
マリウスさんに、詳しい事情は言わないようにと釘を刺されていたので、私はサンドラさんの考えた作り話を話した。
「記憶が戻ったのは良かったけど…本当に大丈夫なのか?」
「はい、あ…それで、親友の方には会えたんですか?」
嘘を重ねる罪悪感から、私は話題をすり替えた。
「あぁ、昨夜、会えたよ。」
「そうですか、それでガザンの復興のお手伝いはしてもらえそうですか?」
「もちろんだ。
陛下とのお目通りが叶ったら、一緒にガザンに向かうことになった。」
「そうなんですね。
それは良かったです。」
その言葉に嘘はなかった。
私にはもうこれからマリウスさんに協力は出来ないと思うけど、再興の無事を祈りたいとは思ってる。
「もうしばらくはアンセルの家にいるから、何か用があったらすぐに来てくれ。
アンセルの家は、城の者に聞けばすぐにわかるから。」
「はい、わかりました。
あ…今まで面倒をみていただき、本当にどうもありがとうございました。」
「いや、大したことは何もしてやれなかった。
……じゃあ、またな。
とにかく無理はしないようにな。」
私はマリウスさんに手を振り、見送った。
「なんだって?記憶が戻った?」
「は、はい、私はこの城に仕える侍女でした。
ですから、私はここに残ります。」
次の日の朝、マリウスさんが訪ねて来た。
私は隠し部屋を出て、シャルアさんの控えの間でマリウスさんに会った。
マリウスさんに、詳しい事情は言わないようにと釘を刺されていたので、私はサンドラさんの考えた作り話を話した。
「記憶が戻ったのは良かったけど…本当に大丈夫なのか?」
「はい、あ…それで、親友の方には会えたんですか?」
嘘を重ねる罪悪感から、私は話題をすり替えた。
「あぁ、昨夜、会えたよ。」
「そうですか、それでガザンの復興のお手伝いはしてもらえそうですか?」
「もちろんだ。
陛下とのお目通りが叶ったら、一緒にガザンに向かうことになった。」
「そうなんですね。
それは良かったです。」
その言葉に嘘はなかった。
私にはもうこれからマリウスさんに協力は出来ないと思うけど、再興の無事を祈りたいとは思ってる。
「もうしばらくはアンセルの家にいるから、何か用があったらすぐに来てくれ。
アンセルの家は、城の者に聞けばすぐにわかるから。」
「はい、わかりました。
あ…今まで面倒をみていただき、本当にどうもありがとうございました。」
「いや、大したことは何もしてやれなかった。
……じゃあ、またな。
とにかく無理はしないようにな。」
私はマリウスさんに手を振り、見送った。