替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
迷いと気掛かり




「シャルア…最近のそなたは本当に見違えるようだ。」

「ありがとうございます。
体調が良くなり、私も嬉しいです。」



少し前から、食事は陛下たちと一緒に摂るようになった。
そのため、陛下たちと顔を合わせる機会も増え、話もするようになったけど、お二人共、私に疑惑は感じられていないような気はする。
ただ…王妃様の視線がきついのだけは気になってるけど…



「シャルア…
もし体調が良いようなら、快気祝いを兼ねた舞踏会を開こうと思うのだが、どうだ?」

「舞踏会…ですか?」



隠し部屋で、サンドラさんに特訓を受けたから、ダンスはそれなりに踊れるとは思うのだけど…
でも、緊張する…
舞踏会なんて、当然、初めてだし…
それに、他所の国の王族とか貴族とかが来るんだよね?



(大丈夫かなぁ?)



「どうだ?まだそこまでは難しいか?」

「え?そ、そういうわけではないのですが…」

「ヴァリアンのルーサーとマーカスも呼びたいと思っているのだが…」



(ヴァリアンのルーサーとマーカス!?)



それって、私が結婚するお相手の王子だよね?
確かに、そのふたりは見てみたい。



「陛下…お返事は明日でも良いですか?」

「あぁ、ゆっくり考えると良い。」

「ありがとうございます。」
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