替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
side フェルナン
「本当に大丈夫なのですか?」
「そなたはやけに心配性なのだな。
友人も連れて行くと言ってあるから、何の問題もない。」
そろそろ、ヴァリアンを離れようかと考えていた時、私はリゴレットで開かれる舞踏会のことを聞いた。
サキの回復を祝う舞踏会だとのことだった。
しかも、ルーサーが私に一緒に行こうと言い出したのだ。
確かに、サキには会いたい。
話せなくとも、サキの姿を見るだけで良い。
だが、その反面、そんな自分がとても未練がましく思えた。
サキと私は、すでに住む世界が違う。
どれほど辛くとも、サキはもう諦めなければならない相手となってしまったのだ。
しかも、私はダンス等踊ったこともない。
「私はダンスが苦手ですから、遠慮しておきます。」
「何を言っている。ダンス等容易いものだ。
侍女と練習すれば良い。
舞踏会まで、まだ日はあるのだから。」
結局、私はダンスを習うことになってしまった。
ダンスの踊れない貴族等、いるだろうか?
こんなことから、私の正体がバレるのではないかと心配したが、それは杞憂に終わった。
覚えが良いと侍女におだてられ、私は調子に乗って、楽しくダンスの練習を続けた。
考えてみれば、ルーサーに連れて行ってもらわなければ、舞踏会には行けるはずもなかったのだ。
マリウスにも招待状は届いているかもしれないが、あんな別れ方をしたのだ。
今更、一緒に連れて行って欲しいとは言い難い。
(サキの姿をしっかりと目に焼き付けて来よう。)
きっと、これは天から与えられたプレゼントなのだ。
私はそう思うことにした。
「そなたはやけに心配性なのだな。
友人も連れて行くと言ってあるから、何の問題もない。」
そろそろ、ヴァリアンを離れようかと考えていた時、私はリゴレットで開かれる舞踏会のことを聞いた。
サキの回復を祝う舞踏会だとのことだった。
しかも、ルーサーが私に一緒に行こうと言い出したのだ。
確かに、サキには会いたい。
話せなくとも、サキの姿を見るだけで良い。
だが、その反面、そんな自分がとても未練がましく思えた。
サキと私は、すでに住む世界が違う。
どれほど辛くとも、サキはもう諦めなければならない相手となってしまったのだ。
しかも、私はダンス等踊ったこともない。
「私はダンスが苦手ですから、遠慮しておきます。」
「何を言っている。ダンス等容易いものだ。
侍女と練習すれば良い。
舞踏会まで、まだ日はあるのだから。」
結局、私はダンスを習うことになってしまった。
ダンスの踊れない貴族等、いるだろうか?
こんなことから、私の正体がバレるのではないかと心配したが、それは杞憂に終わった。
覚えが良いと侍女におだてられ、私は調子に乗って、楽しくダンスの練習を続けた。
考えてみれば、ルーサーに連れて行ってもらわなければ、舞踏会には行けるはずもなかったのだ。
マリウスにも招待状は届いているかもしれないが、あんな別れ方をしたのだ。
今更、一緒に連れて行って欲しいとは言い難い。
(サキの姿をしっかりと目に焼き付けて来よう。)
きっと、これは天から与えられたプレゼントなのだ。
私はそう思うことにした。