替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする

「王女様...ご回復、おめでとうございます。」

各国の王族や貴族達が、私に挨拶に訪れる。



「シャルア王女様、おひさしぶりです。」

「お久しぶりです。」

さわやかなイケメンに、私は反射的に返事をした。



（……え？）



その人の後ろに立っていたのは、フェルナンさん…
でも、フェルナンさんはいつもとは違い、まるで王族のような身なりをしていて…



（これって、夢？
それとも他人の空似？）



私はすっかり混乱してしまった。



「おぉ、これはルーサー様にマーカス様…遠い所、おいでくださりどうもありがとうございます。
そして……」

陛下が、フェルナンさんの方に目を向けた。



「陛下、お久しぶりです。
この者は私の友人のフェルナン・カナールと申します。」



やっぱり、フェルナンさん！？
でも、フェルナンさんがどうしてここに…？
それに、カナールって…その苗字は…？



「ご友人でしたか。
ヴァリアンの王子はお二人とお聞きしておりましたが、三人だったのかと思ってしまいましたぞ。」



えっ！？それじゃあ、この人たちがヴァリアンの…？
確かに、シャルアさんの言ってた通り、二人共格好良いし、良い感じの人だ…
でも、そんなことよりも、フェルナンさんがここにいることが…
ヴァリアンの王子の友人となっていたことが気になってたまらなかった。