替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「マリウス様、こちらはヴァリアン王国のルーサー様です。」
「ルーサーです。どうぞよろしくお願いします。」
「ガザンの王、マリウスと申します。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。」
「マリウスさん、実は、ルーサー様は、私達の友人の貴族のフェルナン・カナール様についてお訊ねなのです。」
私はルーサーさんに気付かれないように、目配せをした。
マリウスさんはちょっと戸惑った顔をしながらも、小さく頷いてくれた。
「フェルナン・カナールがどうかしましたか?」
「実は……」
ルーサーさんはさっき私にしたのと同じことを話し、紙切れをマリウスさんに渡した。
「なるほど…そういうことでしたか…
それなら、ご心配はいりません。
彼はああ見えて、とても気まぐれなのです。
私もあなたと同じ目に遭ったことがあります。
私の時は、書置きのひとつもなくいなくなってましたよ。」
「え、そうなんですか?」
「はい、言ってみれば、これは彼の癖のようなものです。
またいつかふらっと現れますから、御心配には及びません。」
にこやかに話すマリウスさんの演技はたいしたものだった。
こんな風に話されたら、私でもきっと信じてしまう。
「彼にそんな一面があったとは意外です。
でも、おかげで安堵することが出来ました。
シャルア様、マリウス様…お騒がせして、本当に申し訳ありませんでした。」
ルーサーさんもやっぱりマリウスさんの話を信じ、そのまま部屋から出て行った。
「ルーサーです。どうぞよろしくお願いします。」
「ガザンの王、マリウスと申します。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。」
「マリウスさん、実は、ルーサー様は、私達の友人の貴族のフェルナン・カナール様についてお訊ねなのです。」
私はルーサーさんに気付かれないように、目配せをした。
マリウスさんはちょっと戸惑った顔をしながらも、小さく頷いてくれた。
「フェルナン・カナールがどうかしましたか?」
「実は……」
ルーサーさんはさっき私にしたのと同じことを話し、紙切れをマリウスさんに渡した。
「なるほど…そういうことでしたか…
それなら、ご心配はいりません。
彼はああ見えて、とても気まぐれなのです。
私もあなたと同じ目に遭ったことがあります。
私の時は、書置きのひとつもなくいなくなってましたよ。」
「え、そうなんですか?」
「はい、言ってみれば、これは彼の癖のようなものです。
またいつかふらっと現れますから、御心配には及びません。」
にこやかに話すマリウスさんの演技はたいしたものだった。
こんな風に話されたら、私でもきっと信じてしまう。
「彼にそんな一面があったとは意外です。
でも、おかげで安堵することが出来ました。
シャルア様、マリウス様…お騒がせして、本当に申し訳ありませんでした。」
ルーサーさんもやっぱりマリウスさんの話を信じ、そのまま部屋から出て行った。