替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




三日もすると、体の痛みはずいぶんとマシになった。
そもそも、この痛みは一体何だったんだろう?



フェルナンさんの持って来たワンピース…
気に入ってはいないけど、とりあえずサイズはほぼぴったりだった。
だけど、靴はかなり大きい。
紐で縛り付けないと脱げてしまう程だった。



家の外にも出てみた。
そこは、山の麓で、あたりには一軒の民家もない。
家の外には薬草らしきものが大量に干してあって、傍には、狭い畑があって、ナスやら豆やらキャベツに似た野菜がいくつか実ってた。



体の痛みがなくなったら、せめて畑の仕事でもやらせてもらおう。
って、今までそんなことはやったことがないから、出来るかどうかわからないけど…
家事や料理も、今まではお母さん任せだったから自信はない。
特に料理は、絶対に無理なような気がする。



ここは、私のいた世界とはずいぶん違う。
多分、100年…いや、200年くらいは昔の感じだろうか?
なんせ、電気もガスも水道もないんだから。
そういえば、私、この数日間はスマホをいじってない。
持って来てないからいじれないのは当然だけど、今までだったらスマホをいじらない日なんて、一日たりともなかったのに…
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